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横尾弘一の「野球とともに生きている」season3
今日は独り言です。
僕は編集者だ。それなりにヒット企画を生み出してきたが、

30歳を過ぎた頃に他の出版社へ移った。

自分の可能性を広げたいという気持ちもあったが、

本音を言えば「俺たちが若い頃はこうだった」が

口癖の編集長とウマが合わなかったのだ。

新たな出版社での仕事は順調だった。

ある日、かつて編集者として数々の顕著な実績を残してきた

Aが編集長に就くことになった。

一匹狼と言われるAの評判は社内でも芳しくなく、

「上司に恵まれないな」と思ったりもした。

しかし、Aの仕事ぶりは噂とはまったく違っていた。

確かに、僕らのような中堅組には厳しかったが、

だからと言って僕らのやることにいちいち口を挟まず、

考えることの大切さを教えてくれた。

Aの下で編集する雑誌は注目され、

強力なライバル誌を何度も抜いてトップに立った。

僕は仕事がすっかり楽しくなった。

本を作るとは、こういうことなのだとわかった気がした。

数年後、A編集長は人事異動で去った。

新たな編集長は悪い人ではなかったが、

面白い企画を考えるより、読者サービスにばかり力を入れた。

すると、瞬く間に部数は落ち、僕らは歯痒い思いをした。

そんな時、僕が編集長に抜擢された。

40そこそこの僕を編集長にするには反対意見も多かったようだが、

どこかでA元編集長が後押ししてくれたようだ。

しかも、A元編集長が、部長として僕をサポートしてくれるという。

僕は編集長の内示を受諾することにした。

僕なりに理想の編集長像はあったし、僕の決断で部下が動くのだ。

しっかり責任を持って仕事をしなければならないと意気込んだが、

実際にやってみると、編集長とはそんなに簡単な仕事ではなかった。

それでも、A部長が有能な編集者を異動させてくれたり、

様々な面でサポートしてくれるので状況はよくなるはずだと信じていた。

ところが、部数は一向に伸びない。

そんな現状に直面したら、

僕ならばA部長に助言を求めると思う。

だが、世の中は僕と同じ考えの人ばかりではなく、

何とか自分の力で現状を打破したいともがく編集長がいる。

そんな若き編集長に言いたい。

聞くは一時の恥。知らぬは一生の恥なのだ。

今こそ自分を買ってくれているA部長に助言を求めるべきだと。

バッティングの理屈カバー帯

『落合博満 バッティングの理屈』落合博満著(ダイヤモンド社)
7月3日に、書籍・電子書籍で刊行されました。




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