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落合監督の褒め言葉が出た

「投手にとって、5回はそんなに意識するものなのかなぁ」

4月30日の広島戦。

4-0の5回表に突如、乱れてしまった川井雄太投手について、

落合博満監督は不思議そうに言いました。

そう言えば、9勝した翌年に不振を極めた佐藤 充投手についても、

「何で4回と5回であそこまで腕の振りが変わるんだ」

と考え込んでいました。落合監督の中で、5回に乱れる投手の謎は、

まだ解明されていなかったんですね。

今日の川井投手は、初回に二死二、三塁、

3回にも二死満塁というハラハラドキドキの投球。

それでも無失点で凌ぎ、荒木雅博選手の犠飛で3回裏に1点を先制し、

迎えた5回表。簡単に二死を取ったから、

「おっ、今日は乗り越えるぞ」と思った途端、

小笠原道大選手に死球を与え、アレックス・ラミレス選手には

ボテボテながらも三塁への内野安打で、またも一、二塁のピンチです。

ここで長野久義選手に打たれていたら、

前回と同じようなことになり、3連敗もあったのかもしれません。

でも、今日はセカンドゴロに仕留めて5回を投げ切りました。

すると、その裏に打線が機能して5点。いい勝ち方でした。

ドラゴンズ打線は全体に不振と言われていますが、

それは野手だけの責任ではないと思っています。

今季は開幕の時点から、先発投手のリズムがよくない。

二死から四球を与えたり、得点した直後にボール、ボールとなったり。

投打の噛み合わせとはよく言ったもので、現在のドラゴンズに

足りないのは、まさに攻守のリズムのよさです。

それを引き出すのは、ほかならぬ先発投手でしょう。

打者なんて所詮30%前後の確率でしか打てないけど、

守りのリズムがよければ、その30%が一気に集中して得点に結びつく。

そうした野球の持つ流れを大切にして、また火曜日から

東京ヤクルトに立ち向かってほしいと思いました。

「まるでサーカスの綱渡りを観ているようだな」

今日の川井投手の投球内容について、落合監督はそう言いました。

僕の知る落合監督のキャラを考えて翻訳すれば、この言葉は

「綱渡りだったけど、よく最後の一本を許さなかったな」という意味。

プロ初勝利を挙げた後輩の牧田和久投手に負けず、

川井投手も日通魂で頑張ってください。

そうそう、5回に口火を切った野本 圭選手も日通魂を発揮しました。

日本通運OB頑張れ!!
2011-05-10 : プロ野球 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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Re:落合監督の褒め言葉が出た(05/08)
おはようございます。勝ててよかったです。

 谷繁さんの蒔き餌にはまってくれた長野選手などあと1本が出ていたら危なかったですね。

 中日の選手はよくも悪くも真面目で考えすぎちゃうんでしょうね。シゲさんのミットめがけて腕を振っていけばいいんです!! 素質はあるんですから・・・。
 監督はメンタル面やできちゃう人だから魔の5回の気持ちは永遠に謎なんでしょうね。なんでも完璧な人は誰もいません。 野本選手スタメン定着できるでしょうか?
 日本通運魂!!
2011-05-09 09:35 : 師匠えぽな URL : 編集
Re[1]:落合監督の褒め言葉が出た(05/08)
師匠えぽなさん

野本選手について、落合監督はバッティングを
ひと目見ただけで「モノが違う」と言っていました。
あとは、自分自身を過小評価せずにやればという
ところなのでしょうね。先日も本塁打のお祝いメールを
送ったら、「チームに迷惑をかけないように頑張ります」と
返信が来ました(笑)。そういう謙虚さは
人として大切ですが、「レギュラー獲ります」くらい
言ってもいいのではないかと、僕も思っています。
2011-05-09 12:52 : 横尾弘一 URL : 編集
Re:落合監督の褒め言葉が出た
毎日新聞のスポーツ欄には落合監督のコメントとして
「サーカスの綱渡りを見ているようだった」
とだけ書かれていたので、真意を図りかねていました。
横尾さんのおかげでよく分かりました。
今朝の報知新聞のコラムは、チャンスで凡退した長野について、
「ここ一番の初球打ちには、見ている者が納得する根拠が要る」
と批判していました。
谷繁が長野を悔しがらせる巧いリードをした、というコトでしょうね。お見事です♪
2011-05-09 19:47 : ウリャー吉井店長頑張れ URL : 編集
Re:Re落合監督の褒め言葉が出た(05/08)
ウリャー吉井店長頑張れさん

言葉を大切にする落合監督は、
実は「サーカスの綱渡りを見ているようだった」という
表現にも川井投手への愛情や労いを込めています。
ただの(素人の)綱渡りは危険だし、失敗する確率も高いのですが、
サーカスの(プロの)綱渡りはハラハラさせるけど成功する。
つまり、川井投手の投球は、
ただの綱渡りから何とか抑えられるプロの綱渡りに成長した
ということも示唆しています。深過ぎてわからないことも
多いのですが、落合監督の言葉の真意を知ると面白いですよね。
2011-05-10 05:13 : 横尾弘一 URL : 編集
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Author:横尾弘一
野球ジャーナリストで著述業を
生業にしている横尾弘一です。
毎日の仕事を通して感じたことを思うままに書きたいと思います。

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